2016年09月07日

2016年の神

今日はまた…歴史のよもやまとは全く違う話題で。

『シン・ゴジラ』です。

実はツレが特撮ヲタなのと(というか主に東宝系ヲタ)、
でもって、
自分も女性としては特撮ファン(というか主に円谷系)の方だと思うので…、
以前から見に行こうと言っていたんですけど、やっと実現。

うーーーーんんん。
みんなが「面白い」「興味深い」と言っていた意味がよく分かった。
私ももう一度見に行こうと思います。



以下ネタバレありますんで、未見の方は読まないでくださいね☆。



『シン・ゴジラ』については、
全く情報を入れないで見に行ったんですけど、
第一作にとっても寄せて作られてるんだな…と思って見ていたら、
舞台は「ゴジラに初めて遭遇する平成の日本」なのだそうで。

このシン(新・真・神)ゴジラの恐ろしさは、
ホントに大きな厄災、全く大震災そのものですよね。

そう、ゴジラは少なくても2つの脅威の象徴ですね。
人智を超えた太刀打ち出来ない自然の脅威と、
人智を超えた太刀打ち出来ないテクノロジーの暴走。


我々だってみんな、
あの日より前から薄々分かっては居たんです…。

予見された大災害は非情なまでに大災害であろう事。
あの技術がいざという時にはとんでも無い事になり、
誰にも止められない事態を招く事。
そして、
その時日本の政府や政治家が、
きっと全く使いものにならないだろう事w。

そんな事が現実化し、否応無く我々を飲み込んだあの日。
悲嘆と混乱と絶望と共闘と再起と…希望。
耐えて持ち堪えて助け合って…乗り越えようと努力して来た日々、
そして今だそれは続く日々。


だから、
「『シン・ゴジラ』は日本人のための映画。
こんなの日本人以外全然面白く無い」って、
外国人留学生の感想コメントが話題になっていましたが、
それは当然といえば当然でしょう。

あの日を経験している我々、
あの深刻さに溺れそうになった我々には、
この『シン・ゴジラ』はもの凄い圧で迫って来たんですよね…。

3.11を自分のものとして受け止めた人々にとって、
『シン・ゴジラ』のリアリティは凄まじく、
5年という歳月の力で大震災の脅威が異化されたような作品だと
映画館の暗がりで息を飲んで見入ってしまいました。

だから、
そういう風に大震災と共存していない外の世界の人には、
この映画は頗るつまらないのは全く当然です。
「ただ会議してるシーンばかり」という評価ですが、
あそこにこそ大震災のデジャブがある訳ですからね…。

今後海外でも公開されるという話ですが、
この作品をそういう目線で感じられる人が…、
どれだけ居るのかなあ…。



でもさ。

逆に言うと…じゃあ今までの日本製ゴジラって、
一体海外を意識して作った作品なんて…あったんでしょうかw?。
(配給先に海外を想定していたとしても)
そして世界もまた、
この「超ローカルな変わった世界観」「反グローバルな味わい」を、
寧ろ楽しんでるんだとばかり思っていたけどw。


で。

何故、自分の国を蹂躙するゴジラが、
こんなに長く日本で作られ続けたのか?、
何故こんなに愛されて来た=必要とされて来たのか?、
いつもそんな事をつらつら考えつつ見ていたシリーズでしたが、
日本で作られたゴジラには、
ホントにもの凄く日本の負の心象風景が託されていたんだな…と、
あらためて今回実感しました。


だから、
アメリカで作られたゴジラが何故面白く無いかと言えば、
あれは単なる「モンスター」だから。
ただの巨大なUMA、ただの巨大なトカゲ、ただの巨大な何か…に過ぎないから。
彼等は「ただそう見えるものが見えただけのもの」に過ぎないから。


日本人にとってゴジラはそういう「見たままのもの」では無い。
形態の中に内包されている核の脅威のように、
我々日本人が畏怖して来た、或は常々直面させられてきた脅威、
それに蹂躙され容易には勝てない恐怖、そこからのサバイバル、
困難な戦い、自責自問自答…等々、
沢山の意味、イメージで出来上がったものがゴジラなのですね…。


先の留学生のコメントには確か、
「アメリカへの恨みなんて今更関係無い」という一文もあったようですが、
それに相当するシーンだって…単なる「アメリカ恨み節」じゃないですよね。
あれは日本人自身へも向けられたシーン。

「(広島・長崎についで)三度目の核攻撃」という事への日本人としての苦しみ、
それを阻止できないかもしれない、
自国の滅びを手をこまねいて見ているしかないのだろうか…という究極の自嘲、悲嘆、
自分的にはこれはかなり苦いもの、鋭いアイロニーだと感じています。


でも大ラスは。

「困難な中でも我々は最善を尽くしている」
「我々はまだまだやれる」

この一連の言葉もまた、
大震災を経験した日本人に大きく響いたのではないでしょうか。
大打撃の直後はそれは悲嘆にくれました。
それ程の大きな脅威に打ちのめされたからです。
だけど…我々はできる事をできるだけして、その窮地を皆で支えた。
まだ克服したとは言いがたいとしても、真剣に頑張って来た事、
そういう一種の自負も…心の内に芽生えた人々は少なく無かったと思います。

『シン・ゴジラ』は、
一時はとうていその蹂躙から日本を救えない感じで、
ホントに心配で恐ろしかったんですけれども、
しかし、
急速にやや楽観的な大ラスになって…。

でもだって一応娯楽映画ですしw…、
ちゃんとエンドマークをそれなりの清々しさで迎えられて良かったと、
エンドロールでホントにホッとした自分でした。


それにしても。

ゴジラは2019年に最新作が公開されるらしいんですが、
なんとこれ…アメリカ版の新作らしいんですよね^^;。

先に「アメリカ版ゴジラはただのモンスター」と書きましたが、
それは以前、アメリカ版を作ったエメリッヒも自覚していて、
「でもゴジラを世界的に通用するキャラクターにしたいと思った(から、ああした)」
って言ってるらしい。

そんな目線で…三度目のアメリカゴジラかあ…。
やっぱりゴジラには「見えるもの以上の何か」を付加できないと、
想像力をかき立てられながら見るのは難しい。
でないと…「ただのモンスター」。
またモンスターパニックものになるんじゃないかと…不安ですwww。

しかも!!、

今度はモスラもキングギドラもラドンも出るんだって!!。
ええ〜〜アメリカにはこの三人は貸さないって、
東宝は言ってたのに〜〜(三人って^^;)。


ここだけの話…ゴジラシリーズの中で自分は実は……、

キングギドラが一番好き

です!!!(わははははははははははは。

着ぐるみなので…ちょっと胴が太くて不格好ですが、
不安定な三つの首をくねらせ、
キロロロっと鳴きながら光線を吐く金の龍。
ちょっと頼りない羽で宙だって飛べちゃう!!!(わははははは。


だから…改造されて人に乗られた時は…もの凄くショックだったよwww。
…アメリカ版でも…何かされたらどうしようwww。

一時は全宇宙最凶とまで言われた、禍々しく、
神格化された、もの凄く強い(ハズ)のキングギドラなんですけど…、
彼にとっては、
ゴジラではなく「全世界向け思考&嗜好」が目下の最大難敵ですなwww。


☆追伸☆
有名な俳優さんがたっくさん、ほんのちょっとの役でも出てましたね。

一番分かったのは…自衛官として戦車に乗ってた斎藤工さん。
後で調べたら…「第一戦車一中隊長:池田」って役で。
「撃て!」って…あああ〜〜歯が立たない!池田危うし!!!。
ピエール瀧さんも自衛官。
(あと個人的には、
防衛大臣:余貴美子さんの超タカ派っぷりが、←メインキャストだけど
「うわあ〜〜www」ってなりました)

あとは…片桐はいりさんとかw、
小出恵介君とか古田新太さんとか松尾スズキさんとか…、
モロ師岡さんとか…みんなゴジラ好きだね。

その気持ちは分かる!!(ぇ。

実はその昔…近所でゴジラの撮影があった事が。
その時「逃げ惑う一般人のエキストラ募集」があった。
自分は!どうしても!参加したかったんだけど…、
実は当時たまたま足を骨折してまして(トホホ)走れなかったので、
応募すらできなかった……(涙。
ああ…一度くらいゴジラから逃げ惑ってみたいです…。
posted by 夏草 at 20:36| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月29日

堪えるのって苦手です^^;

ここの所、色々と用事が押し寄せていて…少々疲労しておりまして。

で。
ちょっと気晴らしと思って、
かねてから見てみたいと思っていた『殿、利息でござる』を見て来ました。

なにしろCMが楽しそうだったしね、
なにしろ宮城県の吉岡宿の話だというしね、
なにより、磯田道史さんの原作だし。


いやあ…これが…やられましたよ…。


原作は読んでいたので概要は知っていた。
なにしろ凄い史実だし、
必然、泣かせる話になるんだろうな…とは思ってたんですけどね。
なんていうか…原作より、ある意味凄く印象深い物語になってました。


まずね。

中村義洋監督と鈴木謙一さんのシナリオが凄い。
原作は磯田道史さんの正攻法、時間の流れ通りに進む話なんですが、
映画版はメリハリがつけられていて、とても上手くまとめられていて。

冒頭がまず引き込まれる。

阿部サダヲさんの穀田屋十三郎と瑛太さんの菅原屋篤平次のつかみ合い、
真剣過ぎてどこか笑ってしまうのだけど、
十三郎がやろうとしている事は「お上への直訴」なので、
下手をすると彼は殺されてしまうかも…と心配で…とにかくハラハラ。

阿部サダヲさんのもの凄い殺気に満ちた体当たりと、
それをまた身を挺して阻止しようという瑛太さん。
とっても印象に残りました。


舞台の吉岡宿は、伊達家から伝馬制を仰せつかっているのですが、
それが元で人々は大変困窮していた。
それをなんとかしなければ、我々の子孫に明日は無い。
そうだ!伊達の殿様に千両貸して、その利息を毎年貰い、
それで伝馬制にかかる費用をまかなおう!。

…というスーパーウルトラアルティメットな方法を考えつく篤平次と、
それに真剣に取り組む十三郎。

ここから身を削って千両をかき集める皆の大奮闘が始まるのですが…。

仲間を密かに集め、家財道具を売り払い、
店の利益を吐き出し…吉岡宿の皆は懸命にお金をかき集める。

このね…元々お金持ちで無い普通の人々が、
大金を作る経過がまず、なかなか身につまされます。
これだけ清貧に生きているのに、千両という大金にはなかなか手が届かない。
見ている私にもここがぐっと重圧になります。

そしてそして…どんどん話が進んで行くと、
十三郎の父と弟の話、そして息子のエピソードになるのですが。


ああーもうこの辺りね、
十三郎の弟役の妻夫木聡さん、本当に穏やかな佇まいの役柄なんですけど、
もうただただ妻夫木さんらしい感じなのですけども…、
それが……もうね、たまらなく切ない。

シナリオの伏線が利いて来る所で、これは…本当にやるせないです。
色々と堪える物語なのですが…泣くのを堪える事が出来なかった(^^;。
というか…今思い出してもちょっとうるっとします。


そして今回は敵役というかなんというか…、
主人公達の行く手に立ちはだかる官僚として、松田龍平さんが凄い良い味です。
冷徹なまでに合理的で、人情になんてひとっつも流されない、
計算高く、プライド高く、
そして…お父さんの松田優作さんに、口元M字が凄く似ている武士ですw。

対する吉岡宿の面々は…、
ちょっとだけ腹黒い(というかコレが普通の人だよね)
西村雅彦さんや、きたろうさん、
そして…カッコいい山崎努さんや草笛光子さん。

その他、竹内結子さんや 寺脇康文さん、
堀部圭亮さん、 千葉雄大さん等々…俳優さんが豪華です。


しかししかし。
最後におでましになった、伊達の若殿が…なかなか凄かったwww。

もう皆さん御存知と思いますが、
フィギュアスケートの羽生結弦選手が「伊達重村」なのですよね!!。


いやあ…これがさ、
なんかもの凄いのよ(わはははははははは。

何かっていうとね。

そもそも吉岡宿、引いては伊達藩の困窮は、
この重村公が官位を欲しがり、
そのために朝廷やその周辺への根回しやら何やらにお金が要ったわけで。
つまり…そもそもの原因は伊達の殿様な訳ですよ。

でもさ、史実も映画も…何かもう突き抜けた若殿様で。

なるほど、
もう伊達家の殿様としても重村公は七代目、
生まれた時から苦労知らずの温室育ちという事で…、
下々の生活とは無縁な殿様の、その如何にも浮き世離れした感じや、
それでいて、しっかりと帝王学を身につけたような、
凛とした「王子様」感を、
もう羽生選手がハンパ無く出してる感じなのですよ!。

だからキャスティングもまた、最後まで絶妙だったです^^。


それにしてもね。

時々、
事実が余りにも正攻法(ある意味、正論そのもの)なので、
「出来すぎていて」とても小説(=フィクション)にも出来ない…と、
思ってしまう程の場合があるものですが、
このお話は…まさにソレ。
余りにも気高い凄い実話です。

埋もれていた史実を、
磯田道史さんが一つ一つ古文書を読んでの小説化、
その上での映画化なのだそうです。

原作の題名は『無私の日本人』。

だけど…いつも思うんだけども、
日本という国はホントに一般国民が頑張り屋で、
その努力と創意工夫によって栄えて来た感があると思う。

それは素晴らしい尊敬すべき所なのですが…、
逆に言うと、明治以降の民主主義になっても、
政治家を上手く育てられない風土になっているという事では。

色々考えさせられる物語でした。


あ!磯田さんも出演されてましたね!!!。
ふっふっふ…武士のいでたち、お似合いでしたよ^^。
posted by 夏草 at 00:27| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月13日

それは決して…避けえぬ事だったのだ…


☆ここから完全「腐」話題なので、苦手な方は完全スルーでよろしくです☆




腐友から動画を紹介されて。
どうもフランスの映像学校?の関係者が作ったものらしい。



タイトルは  『SHUDO』

ええそうです、「衆道」です。



頃は江戸期…でしょうか。
同じ道場で切磋琢磨した侍が二人。

その二人にはしかし、過酷な運命が待ち受けていた。

https://www.youtube.com/watch?v=bVw68FKLEzQ








彼を愛する事も、
彼と命のやりとりをする事も、
決して…避けては通れぬ運命だった。

そしてその決着が決して幸福では無い事も…。



非常に心打たれました。
なんとアーティスティックな作品でしょう。
しかも衆道がこんな風に繊細に静謐にエロチックに、
そして凛と描かれているとは。

構図と場面の転換がとにかく美しい…。
そして…凍る冬の大地とは対照的な、
触れて流れる手指の動きに込められた熱、肌合いの温み…。

しかし、二人の静かで強い気持ちが最後に交わされたのは…、
侍の宿命とも言うべき刀での勝負であった…と…。

残された者の慟哭は聞こえない。
それは他の誰でも無い、今は亡き、
かけがえの無い者にだけ宛てられたものだったのだから…。



美しく悲しい物語。
当分何回も見てしまいそう…。

(凛とした所など…ちょっと「菊花の約」を思い出しました)
posted by 夏草 at 01:28| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする