2017年12月18日

いつか晴れる日に

 『おんな城主 直虎』…終わってしまいました。
またもや…目から大量の汗がとめどなく…、
もうドラマ終わった時はツレに呆れられる大惨事に…^^;。


歴史上の井伊直虎は本当に…、
本能寺の変から数ヶ月後に亡くなったとされています。
なので…ドラマでも本能寺が起ったら、
殿は亡くなってしまうんだなと思っていたのですが。

歴史上の直虎を考える時、
彼女の人生の厳しさ壮絶さはいかばかりか…と思っていましたが、
この物語の直虎さんも、
あんなに「金無し 人無し 経験無し」の所から、
本当に泥まみれ、時には血まみれになって、頑張って生き切った。

本当に素晴らしい殿でした。

そして脚本の森下さんには心からお礼を言いたいです。

このような資料の少ない人物をあんなに生き生きと魅力的に、
そして沢山の歴史的なポイントを抑えて、
更にその上にフィクションを加えて行くという…本当に素晴らしい作品でした。

戦国時代と言うと…派手な合戦とか戦略謀略に目がいきがちというか、
それも面白いのですけれど、
今回のように大家の影で非常に苦労の多い小さな家を、
その日常から政治から戦から、
そしてそういう視点から見る、見える戦国時代の様相を、
情熱を持って描いて下さって…本当に嬉しかった。

本当に並々ならぬ手腕ですね。

右も左も分からなかった直虎は、
皆の気持ちと力に支えられ、やがて応えて行けるようになり、
そして…皆を守るようになれて行く。
そういう直虎の生き様はちゃんと積み重ねられたものなので、
万千代や井伊谷のみんなの心に種として植わり、
少しづつ…でも確実に育って行く。

彼女の人生が沢山の苦しい経験から来ていて、
そしてそれにも関わらずどれだけガッツに溢れ、
そしてそして…どんなにしたたかに強いものだったか、
皆(我々視聴者も)よく知っているから…今日の感動があるのですよね。


ドラマで万千代のがやっと元服する時の「直政」の由来、
「ああ、それで有名な方の「小野道好」ではなく、
「小野政次」を役名にしたのか…」ととても感動しました。
更に、私個人は歴史上の、
<直政が元武田軍を統率する事になるくだり>が好きなのですが、
このドラマでは、家康が直政に武田の遺臣を付ける時、
「家を潰してはならぬという先代の井伊殿の志の通り、
武田をお前に任す」というシーンになっていて、
ああ、このドラマならそういう風になるよね…と。
とても筋の通った、しかも史実に合致する展開で本当に胸熱でした。


最初は…一人の小さき人:直虎。
その人が諦めずに、そして地道に大きな事を巻き起こして行く様、
その紆余曲折に心を揺さぶられながら…、
でも晴れ晴れとした気持ちで、この最後まで見届けました。


晴れ晴れとした…青空。
殿には青空が似合います。

さようなら、殿。
私も殿が大好きでした。
posted by 夏草 at 00:13| Comment(0) | 大河ドラマ☆おんな城主 直虎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月27日

織田家中は忠次の海老すくいの夢を見るか…w


神回が続いている大ラスの『直虎』。

ここの所はもう毎回毎回激しく心が揺さぶられ、
切なさと胸熱の余りに目から大量の汗が出る日々ですが(わはははは、
それもこれも…シナリオの緻密で大胆で情熱的な展開と、
出演者の皆さんの魅力の爆発、そして手堅い演出方の実力…と。

去年の『真田丸』と比べて云々…とよく言われて来ましたが…、
正直な所、史料の少ない井伊直虎の生涯を一年かけて描く事の方が、
大昔から大人気者:真田信繁を主人公に据えるより、
ずっと困難が多かったと思います。

しかしきっと(やはり)、
脚本家:森下佳子さんはその事を「強みにした」んだな…と、
ここに至ってつくづくと感じています。
(やはり…人気実力を兼ね備えた、乗りに乗ってる作家さんは違いますね!)


子供の頃から歴史好きで生きて来たのですが…、
実は徳川家康には、長い間個人的に余り興味が無かった。
何故なら自分が小さな頃って「プレジデント」とかの経済雑誌?に、
とかく「徳川家康の組織力」だの「家康の経営学」だの、
「忍耐と寛容の人家康」だの…、
「経営者や社長にとって家康は鏡」みたいなの…沢山あったんですよね。
曰く
「人の一生は重き荷を負いて遠き道を行くが如し=苦労人からの狸親父」
みたいなwww。

でも近年、
家康は若い頃は感情派だったとか、意外と短気だとか…、
「出来上がった天晴家康像」に???となる評価を見かけるようになって。

そして…自分で調べて行くうち、
「家康は勿論、今川時代に辛い所を耐えて忍耐力がついた」のもあるだろうけど、
「織田ノブ様に押し込まれて辛くて忍耐強くなった」のもあるだろうけど、
「秀吉に勝負で勝っても試合で負け続けた」のもあるだろうけど…、
実際は、いつも、
<自分の信念がガチガチで、
時には主の言うことさえ聞かない三河武士に囲まれていた>事こそ、
家康の忍耐力、傾聴力を育てたのでは?と思うようになって来てまして。

そんな時、『直虎」です。

これはドラマですけれども、
いやあ…もうこの徳川の家臣の手強い事www。
三河武士は勇猛果敢…という事は、多少(かなり)腕力勝負派でもあるし、
色々な意味で声は大きいしw一家言ある輩ばかりだし…、
線のいささか細い阿部家康は押しに押されていたわけですね。

それが…瀬名と信康を失うという痛恨の出来事でしゃんとしてきた。

もし家康が阿部サダヲさんのようなナイーブな心を持っていた人だったら、
こうやって内圧外圧に揉まれに揉まれて…、
「人生重い荷を負いて遠き道を行くが如し」って…なるよね!!!って、
つくづくと妄想しましたwww。

磯田道史先生も「英雄たちの選択」で言ってた。
「家康の人生なんて苦しい事しか無いんですよ」って。
脳科学者:中野信子さんも言ってた。
「家康は様々な人のニーズに応えられる人なんですよ」って。

徳川家康=狸親父が何故形成されたのか…、
考えてみると…本当に大変な事だったのですね。


そして万千代。

自分の印象では、歴史上の井伊直政という人は、
「自分の前に細〜〜〜い一本道、
それもとても高い崖にある一本道、
或は綱渡りの一本綱、
これを渡りきったら生き伸びられる一本道、があって、
それを文字通り一心不乱、一気に全速力で駆け抜けた人」という感じ。

それしか生き延びる手段が無かった所を、
一つも間違わずに激しい覚悟を持って、
自分の全てを自分に賭けて駆け抜けた人…という。

そういう事に迷い無い人って…かなり強い心を持った人だと思うんですよね。
それってきっと素直な人。
素直というのはバカという事では無く、
柔軟に全方位に感性を広げてて、
自分の小さな枠を取り払って取捨選択できる人だと思うのです。
そして、そんな風に「自分を越える、時には壊す事に恐怖が無い」という所が、
このような人の「強さ」なのだと。

思えば今作の直虎もそういう人でした。
あの柔軟な強さって…更に、本当に人を動かせるものだとも思います。
素直だから嫌味も衒いも無く、美しいんですよね、共感するのです。

(でも歴史上の直政は余りにそれが徹底してて過激だったので…、
家中からも恐れられるというレベルに達していましたが)


そして…こんな太陽のような人の影には、
月のような人が存在するものです。

言うまでもなく、今作での小野但馬守ですね。

太陽の光を受けて冴え冴えと輝く月。
暗い夜に一点の光明となって、
太陽の居ない暗黒の時に人々を支え導く。

但馬はもう居ないけれど…その印象的な光は皆の心の底に届いている。
深い水底に届く一条の光のように。

歴史上の小野道好(政次)がこういう人だったのかどうかは…、
個人的には調べていないので分からないのですが、
森下さんのインタビューでは、
「彼の供養塔(だったかお墓)が地域の人々に守られていた」とあり、
それ故に森下さんは彼が単なる悪役では無いのでは?と発想したと。

歴史の綾は解き明かすのはなかなか難しい。
けれどもだからこそ…色々想像してみる事ができる。
今回の『直虎』はそんな、一筋縄では行かない、強かな、
けれども、
ピュアなものを捨てないで踏ん張る人間達の
そのひたむきな戦いの世界を描いていたように感じます。


あと三回。

本能寺の変は…描かれそうですね。

『直虎』では海老蔵さんのとってもコワモテなノブ様でしたがw、
47回の高天神城の戦いの時、
武田側の降伏を許さないという戦略は史実で、
「この頃の武田は周辺の有力武将から攻めに攻められていたので、
(伊那地方から信長嫡男:織田信忠が、飛騨から織田家臣:金森長近が、
駿河国から徳川家康が、関東から北条氏直が武田領に侵攻してきた)
高天神城からの救援要請に勝頼が応えられないのを知っていて、
「<勝頼は家臣を見殺しにするような将だ>という評判を喧伝する狙いがあった」
そうなのです。

これが…本当に見事過ぎるほど的中、
小山田信茂や穴山梅雪等の離反を招き…武田は滅亡したのでした。

でも、高天神城の戦いの結果がなくても…、
こんな風に殆ど全方位から攻められたら、
長篠の戦い以降、家中も更に揉めている武田勝頼にとって、
殆ど雪崩をうつように状況は悪化したんでしょうね…。

『真田丸』の最初にもあったけど…この上浅間山も噴火して…、
もうこうなると目も当てられない感じになっていったと…。

さて。

第48回は「信長、浜松来たいってよ」ですが、
(わははははは、

とうとう明智光秀が「決心」するんですね。
そして…ついに「酒井忠次の海老すくい」が見られるのですね!!www。

いやあ〜どっちも楽しみ^^;。

酒井忠次については、『直虎』では少々貧乏くじを引いた出だしでしたが、
彼はちょっと「徳川家に於ける但馬」っぽい所もあり、
皆が引きにくい札を引いていた感もありまして…。

それから、
演じている みのすけさん ですが!。
ああ〜〜この方、今は役者さんの方で有名ですが、
(ケラさんトコの人だよね)、
大昔!大槻ケンヂさんの『筋肉少女帯』でドラマーやってたんですよ!!。
すんごい初期ですけれどね。
いやあ…『釈迦』とか叩いていたんですなあ…。
それが今や「酒井忠次」。

……来週の「海老すくい」乞うご期待!!!。
posted by 夏草 at 14:01| Comment(0) | 大河ドラマ☆おんな城主 直虎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月20日

精一杯生きるって

大河ドラマ『直虎』、今日もまた悲劇の回でございました。

菜々緒さんの演じられた瀬名が、
本当にもうただただ美しく気高く…そして哀しく。
(涙を一杯ためながらも…滂沱とはならず、という所も矜持があって好き)
男前な中村織央(なかむらおずの)さんの石川数正ならずとも、
御方様のあの覚悟の姿には感極まり、
せめて、
「あなたは本当に美しい人とお伝えしたい」…という気持ち、
全く共感しました。
(でも数正は本当に御方様が好きだったのかも。それもいい)

信康も…父や家臣に最後まで応えようとする…本当に素晴らしい若殿で。
平埜生成(ひらのきなり)さんは舞台中心の俳優さんらしく、
そのせいなのか台詞はハッキリ、目配りなど高貴な佇まい。
その整整としたお顔に一筋涙が溢れる所(一つ前の回)、
何度見ても切ないですね…。


歴史的には築山殿(瀬名)は「悪女」と評される事が多かったのですが、
何故かいつも自分はそれには承服できなかった。

そもそも勝者のものである歴史(各家の正史というか)って、
その主を上げんがために(正当性を強調したいがために)、
特に都合の悪い立場の女子供は貶められる事もよくあると言われます。
築山殿とか徳川信康はその最たる人だという印象で。

しかし、正史から見てどんな不都合な立ち位置の人物であっても、
その人々にはその人々の言い分があろうと常々思っている。
それが「正しいか正しくないか」という見方・裁き方は、
後世が正史を基準にして考えるから、そう意味付けられてしまうのであって、
そもそも人とは皆自分の気持ちはそれぞれあるわけで。


その「歴史的」には、
信長と家康の間になんらかの「信康問題」が起き、
ああした最期を強いられた原因として、
従来の「信長が信康を除こうと強く家康に迫った説」の他、
(優秀な徳川信康が将来、
信長嫡男:信忠にとっての脅威になるだろうという考えから等)
「家康とそもそも信康が不仲だった説」(この場合は信康が暗愚であるとされる)、
そして「武田と信康が内通した説」
(当時まだまだ武田の勢力は戦国屈指だったため、
織田よりも武田と信康が考えた等)
更に、
「築山殿と家康実母:於大の方と不仲(築山殿は今川の血筋ゆえ)説」、
(これは直接的な原因というより、信康の自刃を後押しする力となったと)、
など色々取り沙汰されて来て…結局今でも本当に謎の事件ですね。
(しかしながら信康ともども築山殿が粛正されたという事は、
この母息子の痕跡を完全に徳川から消したかった誰かが居る…、
という事を意味していると私は思っています)


そしてまた、
戦国時代は現代の感覚では計れない部分も多々あるし、
その意味で色々大変だったし仕方無いと分かってはいても、
それでも「嫡男を死に追いやった父」という点で見れば、
(それぞれ家中的には説明つけてるけど)
武田信玄と徳川家康の印象は個人的には…あんまり良くはなかった。

でも…今回のシナリオの運びを見ていると、
同盟者といっても実質は、信長と主従関係に近かった家康にとって、
短気で元ヤン?な信長wwwにメンチ切られたり、
態度で威圧されたりで(これがホントの忖度よの)、
精神的にかなり追い込まれた状態だったのはあり得るな…と。

ドラマ中瀬名が、
今後信康が許されて徳姫との間に子が生まれたら、
「それを私と思うて」と言う所、
(このままで居たら、信康が許されると瀬名は思っていないわけなので)
周囲への気遣いと御本人の今生への決心が伝わって、
たまらない気持ちになりました。


そして。

今回は深く悲しかったと同時に、本当に素晴らしい回でもありましたね。
今まで井伊谷の人々と我々視聴者が経験して来た事が沢山繋がって。

「直虎の今まで」がどれほどの艱難辛苦であり、
それを越えて来た「直虎の凄み」が今まで分からなかった万千代だけど、
巡り合わせと戦国の不条理に打ちのめされ、
もうヒシヒシとそれを感じて…大人になって行きましたね。

そしてそこに介在する「姿なき政次」の存在感がもの凄かった。
普通こういうのって高橋一生さんの過去の出演シーンとかを
「絵的に」挿入するもんだと思うけど、今回はそれが一っつも無かった。

だけど皆の心にどれだけ政次が生きていた事か、
それがどんどん「残された者達の言動から」浮き彫りになって…
そしてその政次の心が皆を今一度結んで、更に皆の力を強くしていく過程に、
特にここの所少々老成していた直虎を奮い立たせて行く所に、
本当に胸熱になりました。
(南渓和尚のあの煽りも、
苦しさに閉じ込められた直虎を再び解放する突破口となるものだったと…思います)


家康を呼び覚ます万千代も良かった。
覚悟の決まった万千代の、あの堂々たる真っすぐさ。
真っすぐに家康に向かって…悲しみも辛さも皆、糧として運命と戦おうと、
そう鼓舞する純粋な姿。
万千代は心から信康に成り代わろうとしていたのですね。
そしてそうした万千代にだけは心の内をさらけ出し、泣き叫んで吐き出し、
やがてその気持ちに応える家康。

家康が万千代を特別に思ったのはこの瞬間、
そして万千代が真の徳川家臣となったのもこの瞬間、
…ここも本当に胸熱な徳川主従でした。

今回は最初から最後まで、
人間の結びつきの激しさ、哀しさ、惨さ、強さ、美しさが胸に迫りました。
どんな時代であってもそこは変わらない所だと…。

精一杯生きるって、自分を精一杯活かすって本当に大変な事。
でもそれが出来たら…本当に生きた甲斐がある。
いろいろしみじみ思う一夜でした。
posted by 夏草 at 01:16| Comment(0) | 大河ドラマ☆おんな城主 直虎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする