2017年08月20日

この身に替えても

『直虎』…とうとうこの日が来てしまいましたね。

高橋政次の最期の日。

大河ドラマは大河といえども「ドラマ」です。
創作です。

しかしそこに史実(と認定されている事)や逸話などを盛り込み、
歴史劇として視聴者に訴えかけるドラマに…というスタンスはまだあります。
だから今回、歴史的には嫌われ者の扱いも目立つ小野但馬守を、
最期はどのように表現するのか…と思って見ていましたが。

余りにも衝撃的で言葉がすぐには出ませんでした…。

でも間違い無く、今後とも長く私の心に刻まれるであろうお話でした。


☆以下ネタバレありますので、未見の方は読まないでくださいね☆


小さな力の無い井伊の国。
井伊を必死で守ろうと奮闘する人々の、熱く健気な頑張り。
ここでの小野政次もまた、
本当に人一倍身を粉にして戦った人でしたね。

苦く辛く苦しい闘い。
でも最期に…あのような幕切れを迎えるとは。

政次が磔になる所を直虎が見届けると決めたので、
「ああ…直虎は政次が皆に蹂躙される所を見届けるのか」…と、
私は思っていました。
政次がこんな風に穢されるのを見届けなくてはならないなんて、
(見届けないという答もあったけど…
大事な政次の死を引き受けなくてはと、
直虎は決意したんだな…と)
小国の主であればこそ、直虎は本当に本当に辛いな…と。

しかし。

直虎が文字通り引導を渡したのですよね。
表面的には「奸臣を成敗する」と見えるように振る舞い、
周囲(特に近藤さんね)を圧倒し、井伊の正当性を主張しながら、
あの者達から政次が穢されるのを守り、政次の死を守りきった。
この手で送ってやる事こそが…、
直虎の最大の愛情表現となってしまった事が本当に悲しいですが…。

そうして同時に「政次の死を決して無駄にはしない」と伝えた。
血反吐を吐きながら、直虎に「見守っている」と応える政次。
その血しぶきが直虎の白い頭巾にかかっていて…たまらなくなりました。

直虎はもはや立派な戦国武将です。
あのような苛烈な局面に直面させられ、
心を切り裂かれながらも決死で踏ん張った。
涙一つ見せずに一世一代の強さを結集して…政次に引導を渡したのですよね。
それは…井伊を守り、政次の心に応える事だから。

辛くて悲しくて…本当に切ないです…。
でももの凄く壮絶な愛だな…。


シナリオの森下さんは…『黄金の日々』がお好きなのでは…と、
かねがね感じていましたが、それで連想した事がありまして。

『黄金の日々』では根津甚八さんが演じた石川五右衛門に、
もの凄く有名なシーンがありました。
(根津甚八さんの石川五右衛門は本当に素晴らしかった)

太閤の寝所に押し入って捕まり、五右衛門は名高い「釜茹で」になるのです。
鬼気迫る、心に刺さる大変なシーンでしたが、
今回個人的に…『直虎』の政次の死のシーンは、
それに匹敵するくらいの衝撃と感銘を受けました。

政次の死を胸に刻んで…今後の直虎はもっと強くなるのかもしれません。
もっと強くしたたかに…ひとかどの戦国武将に。
そして…直政が徳川の懐刀となって井伊は返り咲く。

いえ、返り咲くのではありません、
もっと大輪の花を咲かせる事になるのです。

その日を一番喜んでくれるのは…政次に違いありません…。
posted by 夏草 at 22:02| Comment(0) | 大河ドラマ☆おんな城主 直虎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月17日

そして直虎らぶ

大河『直虎』…とうとうというかついにというか、
戦国のビッグネームも続々登場してきて…、
華やか且つ凄みが増して来ました♪。

いやあ…この大河では浅丘ルリ子さんの寿桂尼が…、
ホントにカッコいいですね!!。
この浅丘さんを見られてホントにホントに良かった。
直虎にとっても女城主というか女大名の大先輩である彼女。
あれだけの家を切り盛りしていたのですから、
それはもう涙も笑みも策略・腹芸……堂々たる為政者ぶり。

常々思っているのですが、
喰えない人物、大人物というのは…実は結構本音を言う人だと。
そう、つまんない嘘は言わない。
つじつま合わせに四苦八苦して面倒な事になるだけだし、
第一、人間って本音キャラに好感持つからね。
本音を言って相手に「お!」と思わせつつ懐に入り込む。

そして…本音の間に…実は巧みに腹芸を挟んで来る。
そこの継ぎ目が澱み無いというか…変幻自在というか、
結果相手を押したり引いたりして自分のペースに巻き込んで行く。
極々自然にそういうい風にシフトできるという所が、
この手の人物の凄さだと思います。

そういう手練れ感がハンパ無いですね、寿桂尼と…そして松平健さんの信玄!。

いやあ…この信玄公も華があるよね…。
まさに赤い大入道!いや楽しくなって参りました♪。
表面は二人ニコニコしながら、水面下でのジャブの応酬!面白かったね♪。

そして直虎の方ですが。

失敗を乗り越え、四面楚歌・艱難辛苦を耐え、
龍雲丸との出会いやら、
政次とようやく上手にタッグを組めるようになるやら、
悪戦苦闘試行錯誤しながら…、
我らが城主、堂々たる一国の主になって来ましたよ!!。

思えばホントに、
人無し金無し経験無しの新米領主、よくぞここまで立派になられた!!。
なんかもう…何故か傅役的な気持ちで殿を見守っている自分www、
ちょっと(かなり)感動しておりますよ。

史料があんまり無いから、
シナリオライターさんの力量で作られる世界だけど、
一足飛びに「有名所に無理に絡ませて行く」ストーリーでは無く、
地道に直虎を作り上げて行った過程は素晴らしい。
私個人はとても楽しませてもらってます。


そうなんですよ。
今回のドラマでは何と言っても、
高橋一生さんの政次が凄いキャラなので、
そこは一番目が行く所とは思いますが…、
実は直虎の人物像もとても良いと思って見てます。

優等生では無いけれど…十分に聡明で伸びやかで、
鉄人では無いけれど打たれ強く、
しかし可愛らしくもあり頼りない所もあり。
王道って言えば王道な主人公ですが、しかしいざとなると肝が据わる。

そう、いざとなると果敢に剛胆なんですよね、直虎。
好きです。

最近友とよくこの事について話すんですが…
心理学的に言うと、人間は実は自分の中に両性を持っているんだそうで、
つまり男性の中には実は女性性が、女性の中には男性性があると。
で、人間が練れて来るというのは…、
自分の中の異性を自分の性と上手く統合できる時らしいと。

ドラマの直虎はまだ若いけど、もうそういう所があると思うんですよね。
勿論、領主という男性的な立場につく事になったので、
彼女の中の男性性が表面化したのはあるけれど、
シナリオ的に人間として磨かれて来たと。

そういう信頼感が直虎にはあります。
これからがとても楽しみな主人公。

そして…井伊はまた嵐の渦中に投げ込まれる事になりますね。
前門の甲斐の虎、後門の三河の若狸、
東からは小田原の汁かけご飯の人、北からは越後の龍、
そして…西からは第六天魔王ですよ〜〜素晴らしい!!!(^^;
わはははははははははははははは。

こんな状況なので…今川から寝返る井伊なのです。
生き延びるためにはなんでもやる。
これが小さな井伊の死にものぐるいの闘い方。
戦国期の生き方には色々あり、
去年の真田信繁に象徴されるような、
一家への忠義とは違う戦国の生き様が…ここにあります。

私個人はどちらの生き方も、
その人が納得して突き進んでいれば良いな…と思うんですよね。
戦国時代は徳川期に比べて「自分の生き方を通せる」時代だったし、
(家を守るのが大前提ではありましたが、
忠義の考え方は「二君に見えず」では無かったので)
そういう風に生き抜いた人々に胸熱になります。

そして…今川家も今回とてもちゃんと描かれていて凄く感動してます。
今までの創作では、
今川氏真はどうしても「ダメ坊ちゃん」的になる事が多いのですが、
今回はそこに「風流の道が後々の氏真を助けて行く」という、
歴史的な事実が先触れとしてもイメージとしても重ねられていて、
凝った展開になっていると感じます。
文化的な人だったんですよね、氏真。
そして妻:早川殿と仲も良かったらしい。
その辺も出て来て…なんかこちらも胸熱でした。

あとは…今川に粛正された水野某ですけど、
水野氏って言うと…ます思い出しちゃうのは水野勝成であり、
次には…家康母:於大の方の実家ですよね。
どっちにしろ家康関係を連想して内心「お」となったですw。
今回の水野さんは「尾張の」って書いてあったし…、
この辺は面白いので調べてみようかと。


で!、
第三十話からは怒濤の展開との事。
(徳川四天王もキャスト出そろいましたね。
去年『真田丸』に井伊直政が出なかったのって、
今年の『直虎』に配慮したんですね、きっと。
個人的には…尾美としのりさんの榊原康政が気になるwww。
あ!あと…六角精児さんの本多サド守もw。
去年は近藤正臣さんの喰えない素敵なサドだったけど…、
今年のサドは曲者っぽwww)
ここから…弱小井伊が更に耐えて忍んで…、
そして輝かしいあの井伊家になって行くのですね〜!。
あのオープニングのファンファーレが現実のものとなる日が!。

楽しみだなあ!!。
……しかししかし…政次が……。
そして龍雲丸が……。
ああああああ!!!どうなるどうなる。
(やっぱりとっても心配だよ)
posted by 夏草 at 00:34| Comment(0) | 大河ドラマ☆おんな城主 直虎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月16日

やっぱり直虎らぶ

大河ドラマ『直虎』…面白いです。

波瀾万丈の井伊家…とはいえ歴史的史料はそんなに多くは無い。
去年の真田さん家に比べても、それはもうね。

だから『直虎』は逆に、本当に大河「ドラマ」として、
脚本家のイマジネーションを炸裂させないと大変…という所なのだと思うのですが。

私個人はとても興味深く見ております。

「女」城主どころか…学才と思慮と決断力はあるものの、
一人の全くのド素人新人国主が、やがて立派な一人前になって行く…という成長物語、
なかなかドキドキします。

しかも本当に条件が悪い。
幾つもの大国が嵐のように吹き荒れる最中、頼りなくか細い一本の葦のように、
小さな井伊家は「人材も無く金も無く」立っている。
この先どうやってあの立派な井伊になって行くのか!、
逆境に敢然と立ち向かって葦を守るのが…余りにも新人な直虎、というわけです。

このドラマの直虎は持って生まれたカリスマ性もあるのだけれど、
そして宿命から逃げずに受け止めて行く強さもあるのだけれど、
優等生では無いし、失敗も数々。
そこが…良いと思います。

「危な気なく賢く、<戦の無い世>をスローガンに、
いつでも凄い歴史的局面に何故か偶然に居合せ、
故に沢山情報を得ていて、
したり顔で正論を吐き、物事や人を裁く」ような主人公、
何故か時々見ますけど…そんなのなんにも面白くありません。

失敗し、負け、学び、立ち上がり、次は少しは成功し、そしてその繰り返しと…、
人生はそういう所に醍醐味があると思うわけで。
だから今回の『直虎』は…面白いです。

更に。

ドラマ優先と言っても歴史的言及も手堅く盛り込まれています。

最近は徳政令の事が出て来ましたが、
実際に井伊家は今川家と徳政令の扱いについて悶着がありますが、
それを含めて徳政令の歴史上の光と影についても描かれ、
また、戦国時代は一見武力至上主義な印象を一般には持たれるけれども、
実際は「経済を握る」事がとても大切だという事も説明されていた。
(信長にしろ秀吉にしろ勿論家康も…経済をどう扱うか、
よく知っていた武将こそ天下取りに近づけたとも言えるかと)

それから、
あの時代の民百姓は、
「強欲な支配者には一方的に虐げられた存在」というような認識が、
一昔前までは当然のように持たれていたのですが、
現在はもうそれは否定的で、
「逃散(ちょうさん)」も出て来ましたが、
農民は実力行使で領主に迫る事もままあったと。
劇中でも言っていましたが「田畑を耕すものが居なくなると領主は困る」のです。
故にドラマの通り、良き領主は民百姓を大切にしなくてはならない。
地味ですが…井伊家の歴史的には大切な所でした。

『直虎』が成長物語というと…主人公だけでなく、
この井伊家が戦国武将の一家として立っていくための、
家臣団の成長という側面もありますね。

なにしろ井伊家の男達は次々と亡くなってしまうので、
家臣団というようなものも存続が怪しくなっていったのだと思いますが、
そこを立て直して行ったのが、ドラマでも出て来る、
中野直之とか奥山六左衛門(朝忠/ともただ)だったのですね。

スピンオフ映像の「直虎女子会2」では、
「直之様…あの子犬みたいにキャンキャン吠える」と揶揄されていましたが、
ドラマの直キャンさんもまた、政次とは違った立ち位置で直虎に対峙し、
自分の考えも信念もありながら、
ちゃんと直虎と理解しあって井伊を支えるようになるのですね。
ホントにね、
今はもうとても頼もしく凛々しく見えて来ましたよ!直キャンさんw。

そして直之が子犬なら…、
奥山の六左は…テディベアではないでしょうか!^^;。
気は優しくて力持ち(でも武芸はてんでダメ、そして政次が苦手なw)六左、
豪の直之と良いコンビで…段々キャラが立って来ましたね。

最初はこんなにヨロヨロな直虎家臣団。
でも後年、井伊直政を支えて井伊家をもり立てて行くのですね…。
そう考えると…ちょっと胸熱。

元々歴史的にも、
「代替わり」というのは狙われるポイントだったと感じます。
新しい当主の力量が前当主より落ちれば、
すぐさま外から内から、家が喰いものにされかねない戦国時代。
代替わりした新しい当主はそういう訳で、
大きな家でも小さな家でも油断も隙も見せられない、
両国経営も上手く回して行かなくてはならない…と、多くの大変さがあったと。


また、戦国経済の物語という所に話を戻すと、
往年の大河ドラマ『黄金の日日』をなんとなく思い出します。
この作品は戦国経済ドラマの先駆けと言っても過言ではありません。

こちらの主人公は自由都市:堺の商人、呂宋助左衛門で、
商才と度胸と心意気で乱世を生き抜き立身出世していくのですが、
『直虎』には飄々とした方久が…。
(方久は銭の匂いに忠実な人を喰った奴と言う事で…今後が楽しみ)

そして、
あちらにはこれが出世作となった根津甚八さんを擁する、
唐十郎の赤テント…こと状況劇場の面々が、
野盗もどき?となって作品を暴れ回る怪演がありました。
『直虎』には…柳楽クンが頭目となった盗賊?グループが出現しました。
こちらも神出鬼没な活躍となるのでしょうか…。

直虎が言っていた「のこぎり引きの刑」も「黄金の日日」で、
信長を暗殺しそこねた善住坊に下された惨い刑罰ですね…恐ろしや……。


そして最後になったけど…政次の事ですが。

政次はここに来て「真意を直虎に見抜かれた」訳ですけども…、
でも「その先にある純愛」は気づかれないんですねえ。
ここがね…このドラマの肝というか、切ない所。
(何度も書いてしまいますが…高橋一生さんをキャスティングし、
スケジュールを抑えたNHKは「凄い!」としか言いようが無いですねwww)

直虎からしたら、信頼と猜疑の入り交じった目線で、
それでも「井伊を守る」の一点で合意できる事を頼りに、
政次をみつめて奇妙に共闘していく事になるわけですが、
(この辺の度量も面白い)
政次側から言うと…だからこそ「完璧な悪役でありたかった」のだけども、
でも「気づかれてホッとした部分もある」だろうし、
しかしながら依然として、
「自分の長く秘めたる想いは、あのボンクラには通じていない」訳でw、
更に心は痛いし立つ瀬が無いよね…(トホホっすよね、ホントに)。

でもワタクシ個人は、
痛めつけられて苦悩するイケメンって好きなので(ぇ、
政次にはますます頑張って欲しいですとも!ええ(ふふふ。


心が痛いと言えば。
小野玄蕃の妻なつ、もですよね。

山口紗弥加さんのエロキューションが昔から好きなので、
(エロじゃなくてエロキューションですよ)
思い詰めるなつの台詞が…ホントに切ない。
きっと一番政次を理解しているなつ。
でも聡明なので…余計な事はしないし言わないなつ。

でも!、
個人的にはなつの優しさや懐の深さこそ、
是非政次に届いて欲しいと思って見てしまいます。


そしてそして。

全てを投げ打って家のために孤軍奮闘、東奔西走する直虎にも、
もしかしたら…新しい気持ちが芽生えるのかもしれませんね。
柳楽クンの演じる彼がもしかしたら…ふふふふふふ。

さて!。
そんなこんな中「直親の娘?!」が次回から登場との事、
これは…井伊家版の天一坊事件なのか(わはははははははは、
変化球が更にぶっ飛んで来た展開、乞うご期待!という所ですね☆。
posted by 夏草 at 02:47| Comment(0) | 大河ドラマ☆おんな城主 直虎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする