2010年12月16日

血風!!森一族10 〜森家の血〜

戦を勝つだけでは生き抜けない、
「政治力の勝利」の必要性が大きくなって行く時代。

良くも悪くも腹芸に秀でた森忠政。
そんな忠政に、たばかられた三成。
流石に怒り心頭に発したらしく、真田おとう昌幸宛に、
「忠政への遺恨格別」と書いたそうで。


そう、「遺恨」と言えば…。

森忠政は、昨日の逸話でも紹介したように、
次兄:長可の旧領である信濃:川中島四郡を回復した訳ですが。
(この時「海津城」を「待城(まつしろ)」と改名した事が、
現在の「松代」の地名の由来ならしいですね)
彼のこの「川中島藩時代」が…また壮絶で。

話を少し戻して…本能寺の変の後、
信濃衆が森長可に敵対して一揆を起こした…ですよね。
長可はまず敵から人々を奪い、これを人質として敵中突破した後、
自分に歯向かった彼等への怒りが納まらず、
「松本に着いたら人質を開放する」という約束を反故にし、
敵将:高坂昌元の子など多くを殺したと。
(もっともこの間、一揆衆も長可軍を襲ったりしてるみたいなので、
人質が介在しても、両者はやりあったらしいのですが…)

そして18年後。
この土地に入った忠政は、長可の遺恨を晴らすべく、
高坂一族を皆殺し…それも「磔に」したそうで。

で、関ヶ原の時には忠政は、上田の真田の抑えに留め置かれ、
関ヶ原そのものにも、
実は、秀忠の上田合戦にも出陣はしていないらしい。
(家臣の井戸宇右衛門をちょと派遣しただけで)
つまり…天下分け目の時勢にも実害が殆ど無かったと。
しかし、上田城の降伏、開城に伴って入って来た徳川勢力に対し、
反徳川勢力の興した一揆を鎮圧しているそうで。

その後、後々「右近検地」と呼ばれる相当キツい検地を行って、
結果、この国の石高は数字上上がったものの…、
当然領民の負担はかなり過酷なものになってしまった。
これで…結局四郡全土で一揆が勃発したんだけども、
これを忠政は徹底的に弾圧制圧し、
一揆衆数百人を「磔に」したと…。

「磔」。
一揆衆を一々、槍で何度も何度も突いて殺したという逸話もあって、
いやもうホントに…兄達譲りの頭脳と躊躇無き殺戮で、
なんかこの森家末弟は兄弟で一番コワい人かも…。


余談ですが。
この後の川中島藩の運命は…というと。

世継ぎの居ない小早川秀秋が亡くなった事で、
忠政はその後の美作に転封になり、
引き継いだのが…松平忠輝さんだったそうな。
忠輝さんといえば!。
政宗公の愛娘:五郎八(いろは)姫の婿さんですよね!。
だけど彼も父:家康と上手く行かなくて、
終には兄貴の二代将軍:秀忠に改易された悲劇の殿様でしたよね…。

そして最終的に、
松代には…アノ信繁(幸村)のお兄ちゃん:信之が入るんですよね。
お兄ちゃんは確か93歳まで生きたと思うんですが、
紆余曲折はありながらも…、
信濃のこの地は、信之の治世でやっと落ちついたらしいです。

海津城のある松代は今、とても穏やかな所なんですよね。
山々に囲まれた風景が余りにものどかで美しく、
そんな厳しく激しい歴史があったとは…と、
今年初めて行って見て…とても感慨深かったです…。


あ。
今日は津山藩時代の話まで行けるかと思いましたが…ダメだ。
興味深い逸話が多過ぎて…納まり切らないw。
続きは明日という事で、最後に…伝説の名馬「百段」のエピを。

「百段」。

これは元々、鬼武蔵こと森長可の愛馬だった。
百段を一気駆け…という感じで走れる脚力の馬、というのが、
命名理由らしい。

しかも、百段は頭も良かったw。
毒草を嗅ぎ分けて食べなかった、という逸話もありましてw。

色は…黒…だったのではと。
それというのも、森長可が討ち死にした「長久手の戦い」、
それの屏風絵「小牧長久手合戦図屏風」には、
被弾して落馬する長可が描かれていて…彼の馬の色は「黒」だと。

百段自身も負傷したが、
徳川勢を蹴散らして秀吉の本隊へ無事に戻って来たそうな。

そんな百段の最後の勇姿は…、
なんと長久手から30年後の大坂の陣だったと。
(信憑性云々は置いておいて、
これもまた「名馬伝説」という事なのでしょう)

かつて鬼武蔵を乗せたその背には、末弟:森忠政。
大坂の陣で忠政は200余りの首級を上げた…という事だから、
百段の大活躍が想像できるというもの。

最期は…忠政の美作での老衰だったと…。
勇将森家の末弟は死を悼み、祠を建てたという…。
posted by 夏草 at 11:56| Comment(0) | 家族の肖像 〜森家〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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