2018年04月07日

巨星墜つ……

高畑勲さんが亡くなった。

悲しい。
そして…とても淋しい。

私が元々アニメオタクになった大きなきっかけは、
高畑勲さんと宮崎駿さんと大塚康生さん等の、
東映動画出身の皆さんの存在だった。

東映動画(今は東映アニメーション)は当時、
日本で本格的な長編アニメ映画製作を牽引した会社。
虫プロがTV中心なら、東映は映画という感じ。

若き日の高畑さんはここで、
名高い『太陽の王子ホルス』の演出などを手がけていたんですよね。

(因に、
東映動画の長編アニメというと…この『ホルス』、
宮崎駿さんも確かちょっとだけコンテ描いてる?『どうぶ宝島』、
そして個人的には『わんぱく王子の大蛇退治』も好き。

『わんぱく〜』の作画監督の森康二さんも大好きだったんです。
高畑勲さんを始め、大塚康生さん、小田部羊一さん、宮崎駿さんも、
森さんの影響を受けたそうです。
そして『わんぱく』の音楽は『ゴジラ』の伊福部昭さんでした)

で…赤字とリストラ、動画の製作方針で東映動画は揉め、
労働争議が起き、高畑さん達は東映を去るんですよね。

で、その後はAプロで『ルパン三世 第一シリーズ』の
後半13話の演出とかをやられて、
(前半は大隅正秋さんが演出だったのですが、
視聴率が振るわず降板、後を引き継いだ形です。
なので、ルパンのこの第一シリーズはテイストが前半と後半では、
まるで違っています。
個人的には…セクシーな前半もとっても好きです)

その後、ズイヨー(今の日本アニメーション)で『ハイジ』作ったり。
高畑さんのこのシリーズでは、個人的には私は、
「母をたずねて三千里』が好き。
物語は大変な展開だけど、マルコとデマジオ(お猿)が可愛くて切ない。

そしてそして…『じゃりンこチエ』も忘れがたい作品。
自分の人生がこの辺の時代はとても苦労が多かったので、
チエちゃんのバイタリティーにもの凄く励まされた。

大坂の事を悪口言う人もいるけどwww、
大坂のチエちゃんとあの家族に
私はどんだけ笑わせてもらい、泣かされたかwwwww。
愛すべき大坂ファミリーなんやで!!!。

原作も素晴らしいのだけども、
アニメ版で高畑さんが拘ったのは、
「チエちゃんのお母さん、ヨシ江さんがどういう人なのか?」という所。
あんなに素敵で優しい女性が、何故あんなテツと結婚したのかwww、
その辺は漫画にも経緯はあった(と思う)けど、
彼女の心情を分かりたい…と高畑さんは語っていた。

結果、
アニメのヨシ江さんはますます魅力的な女性になったと思う。
本当に味わいの深いアニメになった。

(あ、因に…あの作品で一番大人なのは「猫たち」なのです。
人情も道理もなんでも知ってる、人間よりも立派な猫さん達。
その筆頭が「小鉄」。
可愛いけどホントは中年男の、カッコいい小鉄。
こちらも<名剣:虎徹>から来たんだったと思うけど…記憶が曖昧^^;)

そして。
『かぐや姫』ですね。
これは…色々と思う所のある作品で。

かぐや姫は自分らしく生きようと頑張る。
その中に「愛」もあるのだけど…これがなかなか胸に残る展開で。

高畑勲さんはそもそも清純な女性が好みだと、何かで読んだ記憶があって。
清純で自然体で聡明な女性。
彼の倫理観もそういう感じだと…作品から感じていた。

でも。
『かぐや姫』は好きな幼馴染みとは結ばれないのですよね。
彼には妻子が既に居て。

しかし…かぐや姫と彼は「一緒に飛ぶ」というシーンがありましたよね。
あれはとても印象的だったのです。
恋愛なのです、彼とは。
でも彼には妻子が居て…だから不可能な恋愛。
その辺をああいう風に表現した高畑さん…。

人間ってなかなか上手く行かない巡りあわせもある。
それでも…心はつながって…。
高畑さんがこういう恋愛をどう描くのか?。
本当はもっと見てみたかったのです。

高畑さんは元々不倫とか嫌いだと思う。
私も全然好きじゃない。

しかし…それでも結婚の枠組を挟んで、
「どうにもならないけど恋」みたいなもの、
その気持ちの行方を…高畑さんならどう描いたかな?と思うんですよ。
『かぐや姫』みたいにな恋の物語を。

高畑さんの次回作があったとして、
それはそういう物語では無い可能性の方が高かったけど、
私はそれでも…「高畑さんなら」どう描いたんだろう…と、
それを本当に思います。

人間の心の柔らかい部分、それを本当に真摯に描いた人だと思うので…。


高畑さん ありがとう。
本当に大好きでした。
posted by 夏草 at 00:33| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月31日

あきらちゃんをぎゅっと…

『恋雨』アニメ、最終回を迎えました。

原作の方もどうもこの3月に終了したようですが、
そうなると製作時期的に見て、
漫画原作とアニメは最終回が違ったものになったようですね。

自分は原作は読んで無いので…アニメだけの感想ですが。

☆ここからネタバレなので未見の方はスルーで☆



…良かったです。
本当に切なくて美しい物語だった。

描写が落ち着いていて情緒があって、
絵がそれに応えているというか、それを支えているというか…本当に綺麗。
人物たちも基本は良い人で、
普通の生活、人生を地道に生きている感じが良かった。

実は漫画原作のラストも、
ネットに上げている方達のあらすじを読んでしまったんですけども、
アニメのラストはそれと違ってはいても…とても見応えがありました。

ウユニ湖のようになった青い世界をひたすらに駆けてくるあきらちゃん!。
あれはあきらちゃんと店長との二人の心なんですよね、きっと。
現実にはそうしないけれど…(そこがいい)でも心の中はきっと…。

私が子供の頃って、
少女が圧倒的な大人に恋するお話もそこそこあったと思うのですが、
あの頃の「そういう大人」って本当に大人として表現されていたような。

少女たちの気持ちを真摯に紳士的に受け止めるけれども、
それを色恋にはしない、堂々たる大人の矜持を持っていた…という感じ。

なんだかそういう懐かしい、懐の深い大人の店長さんだったと思う。
(でも店長も本当は苦しかったよね…あんなにキラキラな女の子に恋されたら。
でも、だからこそ店長は素敵なんだよね。
本物の大人なんですよね…)

ひたすらに一心に駆けてぶつかってくるあきらちゃん。
それをぎゅっと……ただ一度だけ店長は…。
透明な青の心象風景。

ダメだ……眼から(いつものように)大量の汗が止め処無く流れたよ。

『恋は雨あがりのように』
切ない恋と成長する心、一瞬で永遠の美しさが胸に染みました。

posted by 夏草 at 20:00| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月15日

あきらちゃんが好きだ!

ふ友に「平田広明さんが主人公やってるよ〜」と勧められていたアニメ。
ついに見ました。
そしてハマってしまいました。

そうなんです…『恋は雨上がりのように』です。

いやあ…あきらちゃんが可愛い!!!。
本当にかわいい。
外見も美しいけど…内面がものすごい可愛いですよね。

原作マンガを描いた眉月じゅんさんは、
「女子高校生を描き切りたかった」みたいなことを
インタビューで仰っていましたが、
いやあそれにしても…なんというキラキラした青春だろう。

自分も一応女子高校生だった過去を振り返ってみると
(それも一応女子校出身だぜ^^;)、
(勿論あれはマンガだけど)全然あんなにキラキラして無かったな〜。
眩しいです、本当に。

そして。

最初はあきらちゃんを見ていて、
それなりにああいう切ない初心な恋愛とか思い出してたんだけど、
今や寧ろ店長に年齢が近いせいか、
だんだんと店長の身になって考えてしまう自分が…。

いやあこれは…店長が苦し過ぎる。
自分が店長だったらと…ホントに胸苦しいです。
こんなにキラキラな一途な気持ちを向けられたら…はぐらかすのも失礼だし、
かといって自分は本気になってはいけない。
(OPの歌詞にもあるけど「優しくして誤魔化すのはもっとダメ」って…)

今は、年の差なんてどうでもいいとか、恋愛は自由だとか言うけどね、
世間がなんと言おうと自分がどう思おうと…これは断じて本気になってはいけない。
本気になってしまったら…あきらちゃんの将来を壊してしまいかねないし、
第一、あきらちゃんの可能性を縛ってはいけない。
あきらちゃんが好きであればある程…そう思う。

…苦しい。
なんて苦しいんだ(トホホ。

今の所は店長もそういう感じですが、←アニメ第9話まで
それにしてもホントにホントに平田さんが素敵ですよお〜。

わざとらしくなくてやり過ぎじゃなくて、
淡々としているけど、動揺もハンパ無く…、
揺れるおぢさんをとっても魅力的に演じてらっさる。

くたびれた中年…といっても、あきらちゃんが好きになる人ですから、
それはそこはかとない大人の色気と哀愁がなくては。
その辺が平田さんは本当に絶妙で…ますます苦しくて倒れそうです!!。
(わはははははははは。

原作ももうすぐ最終回、
そしてアニメ版もおそらく13回くらいかなと(1クールっすね)。

ここでおぢさんがギラギラして生々しくなったら、全てがぶち壊しと思う反面、
(現実だとギラギラしちゃうんじゃないかな。
据え膳なんとか…ってことで。トホホだよ。
でも店長さんは違う!きっと違う筈だ!)
あきらちゃんの強くてまっすぐな思いが、何かの形で報われて欲しいとも思う。
店長だってあきらちゃんは今や大切な存在だしね。
せめて何か伝えられないだろうか。
何かどうにか…うーーーん。

生きていると本当に色々なことがあるけど、
それをどう受け止めるのか…どう受け入れて行くのか、
この作品を見ていて、そのことを久々に割と真剣に考えました。

…キラッキラなあきらちゃんの眼差し、
私にも、勿論店長にも…ずっとずーっと心に残っていくんだろうな…。
posted by 夏草 at 22:31| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月11日

私の東北

東日本大震災から7年。

あれから7年経ちました。

皆さんの7年はどういう7年だったでしょうか?。

震災で失われた全ての命に哀悼の気持ちを捧げます。


手元に、当時の新聞があります。
当時の河北新報社の記録の本があります。
萩尾望都さんの震災をテーマにした本があります。

極々最近になってやっとちゃんと全て読めました。
実際の被災地にいるわけでもない、
遠くに住んでいる自分がそんな弱い事じゃダメだと思いつつ…、
当時の私の故郷の惨劇は余りにも辛く…なかなか読めなかったです。

今も尚大変な事は大変なまま続いています。
しかし動いている事も沢山ある。

両方の事実を胸に…せめて応援だけはし続けたい。

私の東北。
私の故郷。

もうすぐ春。
私の故郷に少しでも多くの花が咲くことを…。

posted by 夏草 at 01:16| Comment(0) | 一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月28日

楽しんでそして集中して

冬季オリンピック終わりました。

本当に皆さん頑張ってて…素晴らしいですね!!。
スポーツって本当に凄いものだなあと、毎回思います。

個人的にはいつも言ってるんですけど…自分はホントに小心者。
アスリートの強いメンタルにいつもいつも憧れがあります。

羽生選手のあの「場を制する力」から集中力から何から、
女子カーリング選手の皆さんのナチュラルな明るさから打たれ強さから、
スピードスケートの皆さんのあんな場所での冷静さから何から、
そしてレジェンド葛西の金メダルへのあの「飢餓感」から…、

なんて凄いんでしょう…アスリートって。

でもメダル争いに関わらなかった沢山の選手の激闘も、
総集編みたいなので見た(日本選手のも世界の選手のも)。

で。

月並みだけど思ったっす。

やっぱり「(自分のやってる事が)好き」と
「(それを)苦しみながらも楽しむ」ことが!、
アスリートを輝かせてるなって。

この2つが集中力を増強させて行って、
選手の皆さんの充実感を引き出しているんだなって思った。

日本人は(というか私も)苦労した話に涙したりするけど、
でも苦労といっても「好き」「楽しい」の上の努力の方が凄い結果になるんだね。

そうか…そうなのか…。

だったら自分も「好き」と「楽しい」でメンタル鍛え……られないかな!!!。
↑キサマの「好き」と「楽しい」は、
「ラク」と「怠け」に流れて行きがちだろうがっっwww。
posted by 夏草 at 23:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

日本のすてきおじさん

オリンピックでの選手の皆さんの大活躍について書こうと思っていたところ。

大杉漣さんが急死してしまわれて…。

私も御多分にもれず、大杉漣さんは大好きな俳優さんで。
いやもう……何がどうなったのか…まだ66才だったと…言葉が無いです…。


なんて言うか。
自分的には実はずっと、
心の何処かで「素敵なおじさんになりたい」という願望がありまして(ぇ。
性別的にはおばさんにしかなり得ない状況なのですが^^;、
ホントは素敵なおじさんに…なりたかったのです。←とうとうここまで来たよ…^^;

その素敵なおじさんの筆頭が…大杉漣さんでした。

原田芳雄さん亡き後、
ずっと心の中で一番素敵なおじさんは大杉漣さんだったので、
早過ぎる死に呆然とするのみ…。

色々な心労も癒すために…、
話題の「パリのすてきなおじさん」を読もうと思っております。

色々あっても、最期は吹きぬける一陣の風のような人生。
…、憧れます。
posted by 夏草 at 18:26| Comment(0) | 男前伝説w | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月12日

すべてのはじまり すべてのおわり

『デビルマン Crybaby』を…やっぱり見てしまった。


☆完全ネタバレあり。作品を未見の方は読まないでね☆


個人的に…とても印象深い作品だった。
ずっと長い間知りたかった、見たかったものが見られた、というような、
遠い旅路の果てに…やっと辿り着けた一つの結末、というような。
しかし心は…とても切ない。


湯浅政明監督のインタビューなどでも言及されていた通り、
あの原作を最後まで、監督の感性で描ききったもう一つの『デビルマン』。

湯浅政明監督というと…自分的には『ケモノヅメ』だ。
絵柄的にはグラフィックなデザインのキャラクター達が、
プリミティブで生々しく過激に…そしてユーモラスにどんどん動き回り、
アニメーションもストーリーも変幻自在にメタモルフォーゼして行く。

時に荒々しく血みどろで、
時に行き過ぎて狂おしく、そこが可笑しく、哀しく、
時に放埒でエロティックな物語。
(好き嫌いはきっと大きく分かれるだろうけど)色々な意味で圧巻だった。

そしてその監督が『デビルマン』を作るという。

そして監督は「これは飛鳥了の物語」と言っていた。


私も実はずっと…飛鳥了の思う所を知りたいと思っていた。
デーモンと人間の戦いでデビルマン=不動明を破り、
堕天使サタン=飛鳥了は彼の亡骸に語りかける、原作のあのラストシーン。

あの時、飛鳥了は本当は何を不動明に語りかけていたのだろう?…と。



『デビルマン Crybaby』の不動明は、元々慈悲の人だ。

(神と悪魔の世界観はキリスト教的だが)慈悲というより…「大悲」の人のようだ。
他者の苦しみや悲しみに感応して、その人のその人々の辛さを泣く。
その人その人々に代わって泣く…のだ。
人々の嘆きや苦しみを身の内に入れてしまう人。
それを一緒に悲しんで心に寄り添う、我知らず寄り添ってしまう人。

そしてそれを言うなら…最初から本作の不動明は「受容の人」だった。
子供の頃から不動明の心は大きく開かれ、人を人々の悲しみを受け入れ受け止めた。
人を愛する事に躊躇が無い。
その意味で強い人。


「了も泣いてる」

小さな犬の死に直面して、
飛鳥了の心に点りつつあった「それ」を明は言い当て、代わりに泣いた。
小さな、泣く事もできなかった了の代わりに泣いたのだ。

飛鳥了はそれでも…長い間少しも気付かなかった。
本当は彼の心にも「それ」が点った事を。
美樹がそのクラスメートが、そして不動明が、
飛鳥了へ手渡そうとしたもの、託そうとしたもの。
それがなんなのか…彼は気付けなかった。
その存在を信じていなかったから。

しかし最後に…「それ」がなんなのか、それが自分の中にも点っていた事、
そして不動明から託されていた事、受け取っていた事に気付いた瞬間、
飛鳥了は慟哭した。


明、明…この感情はなんだ
応えろ明……

飛鳥了がその心に愛が点っていた事を悟った時、既に全ては決していた。
彼が唯一愛を感じていた不動明は既に失われていた。
一番大切なものだったはずなのに。

身のうちの愛に気付いた時、同時に全てを失っている事に気付いた。
不動明は滅び去った。
了から見て、
感情というものを持った人間はそれ故に弱く、
人間を弱くしているその究極のものは…愛の感情。
それ故に不動明も滅ばざるを得なかった…。


それを、その愛を知ったのと引き換えに、計り知れない喪失が了を襲う。

弱さはとは忌むべき、排除すべきもの、敗れ去ってしかるべきもの。
そして最上の者、すなわち強者として生き残ったのは自分なのだ。
本来なら何を悲しむ事があるのだろう…。
それなのに。


不動明は慈悲の人、愛の人。
それを受け取った飛鳥了の周りに広がるのは…永劫の孤独。
もう不動明は居ない。
自分はたった一人残されたのだ。
これからも…たった一人。



この結末を皮肉とは思わない。
原作が「これが人間の本当か!」と絶叫したものも、
『Crybaby』で飛鳥了が慟哭したものも、表裏のもの、背中合わせなものだと思う。
相反しながら二つながらに存在する、同じ所に宿るもの。
そしてそのような在り様が…まさに人間なのだ。

飛鳥了にとって、
矛盾だらけの無力な存在が消失して…残ったものは果てしない孤独。
すべてのはじまりはすべてのおわり。
すべてのおわりはすべてのはじまり。
不動明や牧村美樹を、皆を破滅させた飛鳥了の慟哭が…今も胸を離れない。
posted by 夏草 at 00:17| Comment(0) | まんがとかアニメとか映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする